文部科学省 科学研究費補助金 学術変革領域研究(B) 令和3年~5年

ヘテロ群知能

多様な細胞の集団動態から切り拓く群知能システムの革新的設計論

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文部科学省 科学研究費補助金
学術変革領域研究(B) 令和3年~5年

ヘテロ群知能

多様な細胞の集団動態から切り拓く群知能システムの革新的設計論

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研究組織

A02班
筋細胞群知能:昆虫変態時の筋肉リモデリングにおける相転移的動態の理解
代表者 梅津 大輝 (大阪大学理学研究科)

研究紹介

 A02班では細胞が創発する群知能という観点から組織の形成過程を理解することを目指します。ショウジョウバエの変態期に起こる筋肉リモデリングをモデル系として用い、古い筋繊維が一旦バラバラになったのちに再集合して新しい筋繊維を作るという新規の生命現象に注目します。バラバラになって動き回る筋断片は遊走活性が均一ではなく、速度にはばらつきがあります。このヘテロな集団は、全体として遊走活性が徐々に低下するとともにいつの間にか一定の秩序パターンを作ります。しかし、この相転移的な動態がどのようにして生み出されるか、また、集団のヘテロ性が秩序パターンの形成にどのように寄与しているかは明らかになっていません。そこで本研究では、集団が内在的に有するヘテロ性が堅牢かつ柔軟な群知能を生み出す原理を明らかにすることを目指します。ショウジョウバエの遺伝学技術を活用し、組織的特異的な遺伝子操作、光制御技術による局所的な物理的摂動、そして数理モデルを組み合わせた構成論的なアプローチによって、分子メカニズム、個が従うローカルルール、環境の変化への適応性を解明します。

筋細胞群知能:昆虫変態時の筋肉リモデリングにおける相転移的動態の理解

A02班メンバー紹介

研究代表者

梅津 大輝 (大阪大学理学研究科)

梅津 大輝 (東北大学大学院生命科学研究科)

生き物のかたちは様々ですが、異なったかたちをつくるのにも共通の原理があります。様々な形態形成の過程で繰り返し用いられる細胞や分子の挙動がどのような仕組みで構成されているのか、また、どのような使い方によってかたちの違いを生み出すのかはいまだに解明されていない部分が多くあります。私は、ショウジョウバエという小さな生き物を材料に、遺伝学的、分子生物学的に加え、数理学的なアプローチも取り入れることで、一見異なる形態形成過程で働く共通の細胞の性質や決まった分子の特性を解き明かしたいと考えています。

経歴

2000.3
埼玉大学理学部分子生物学科 卒業
2002.3
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻修士課程 修士(理学)取得
2006.3
東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻修士課程 博士(理学)取得
2006.4 – 2007.3
東京大学分子細胞生物学研究所 特任研究員
2007.4 – 2012.2
Max Planck Institute of Molecular Cell Biology and Genetics, Dresden ポスドク
2012.3 – 2014.1
Technische Universität Dresden ポスドク
2014.2 – 2016.3
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 研究員
(2014年10月より多細胞システム形成研究センターに改称)
2016.4 – 2023.3
東北大学大学院生命科学研究科 助教
2023.4 –
大阪大学理学研究科生物科学専攻 講師